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構造化とは何か

「混沌の中にこそ、構造は生まれる。」

構造化の目的

構造化の目的は
「複雑な情報を整理し、理解・伝達・意思決定をしやすくすること」です。

構造化をするためにはどうすればよいか

構造化には大きく5つのステップがあります。

STEP
情報収集

対象となる情報・材料を網羅的に集める。

STEP
カテゴリ化

収集した情報を意味的にグループ化。キーワードや論点を軸に、重複・漏れを確認しながら整理。

STEP
関係性の把握

カテゴリ同士の因果関係、対立、時系列、包含などの構造的関係を可視化。

STEP
階層構造の構築

上位概念 → 中位概念 → 下位情報というピラミッド構造を意識して配置。思考の「粒度」を調整。

STEP
表現と可視化

ロジックツリー・マトリクス・時系列・プロセス図など、適切な形式で視覚化し共有可能に。

以降ステップごとに詳細に解説いたします。

Step1:情報収集

構造化の第一歩は、素材となる情報を余すことなく収集することです。ここでの重要な姿勢は、「まだ整理されていなくて構わない」ということ。むしろ、この段階では未整理の状態で幅広く・多様な視点で情報を取り込むことが肝要です。

  • 情報はできるだけ原文で残す(要約せずそのまま)
  • 抜け・漏れを防ぐために複数の視点・ソースから集める
  • 判断はせずに、一時保留の姿勢で臨む

Step2:カテゴリ化

情報を集め終えたら次に行うのが「分類」、すなわち情報の意味的なグループ化です。

このステップでは、Step 1で集めた雑多な情報の中にある共通点やテーマを見つけ、カテゴリ(分類軸)に分けて整理していく作業を行います。これは単なるタグ付けではなく、「この情報は何を意味しているのか」「どういう性質・役割を持っているのか」といった意味を基準とした分類を意識する必要があります。

分類の際に意識したいのが、「MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)」の原則。つまり漏れなく、重複なく分類すること。例えば、「コスト関連」「顧客体験」「業務効率」といったように、意味のかぶりがなく、全体を網羅できるようなカテゴリを定義するのが理想です。

  • まずは付箋やカードでバラバラに並べてみる
  • 類似ワード・キーワードから自然なまとまりを発見する
  • 分類できない情報は「その他」ではなく、新たな切り口を考える

分類とは、情報に初めて秩序を与えるステップです。このプロセスがしっかりできると、以降の構造が論理的に展開しやすくなり、見る人にも伝わりやすくなります。

Step3:関係性の把握

分類された情報のまとまりを、さらに一段深く理解するには、情報同士の関係性を捉えることが必要です。

このステップでは、たとえば「Aが起こるとBが生じる」「この2つは時間的に連続している」「XはYに含まれる」といったように、因果関係・時系列・包含関係・対立関係など、情報同士の構造的なつながりを可視化していきます

関係性を把握することの意味は、情報を単なる“点の集まり”から、“線”や“面”のレベルに引き上げることにあります。

  • 因果関係:なぜそれが起きるのか(例:不満 → 離脱)
  • 包含関係:大きな枠組みとその要素(例:UX改善の中に顧客体験改善が含まれる)
  • 時系列:どの順番で起こるのか(例:認知 → 興味 → 行動)
  • 対立・反対:二項対立の構造(例:価格志向 vs ブランド志向)

構造とは、単なる分類ではなく関係性の設計図です。このステップを経ることで、情報の立体的な意味が立ち上がり、より深い分析・洞察へとつながります。

Step4:階層構造の構築

関係性が見えてきたら、次に行うのは階層化です。これは、情報を「抽象→具体」の順に整理して、ピラミッド型の構造に整えるステップです。

ピラミッド構造の基本は、「上位概念が下位概念を統合する」というルールに基づいて、情報をトップダウンで階層的に配置することです。上に行くほど抽象的で本質的な論点になり、下に行くほど具体的な事例・データ・証拠が並びます。

例えば、コンサルのプレゼンでよく見る「結論 → 理由 → 根拠 → 具体事例」という構成も、典型的な階層型構造です。

  • 各階層ごとに粒度を揃える(中位レベルで抽象度が混ざらないように)
  • 階層が深くなりすぎる場合は再整理して情報の整理単位を見直す
  • 上位概念から順にWhyで登って、Howで下りる構造が鉄則

このステップにより、情報の全体像が明確な骨格を持ち、論理性と伝達性が飛躍的に高まるのです。構造化の核心部分と言える重要な工程です。

Step5:表現と可視化

最後のステップは、「構造化した情報を視覚的に表現すること」です。
どれほど整理された構造も、受け手に伝わらなければ意味がありません。

ここでは、情報の構造に応じて適切な表現形式(フォーマット)を選び、視覚的に整理します。目的はただ一つ、“見た瞬間に”構造と意図が伝わることです。

  • 色やアイコンは意味と一致させる(例:重要度=赤、リスク=⚠️)
  • パワポで作るときは1スライド1メッセージを意識
  • 表現形式は「わかりやすさ」最優先で選ぶ(かっこよさではなく)

代表的な表現手法

  • ロジックツリー:論点の分解や因果関係の可視化に
  • マトリクス表(2×2):分類構造やポジショニングに
  • プロセスチャート / タイムライン:時間や工程の流れに
  • ピラミッドストラクチャー:結論 → 根拠 → 具体の説明に
  • マインドマップ:情報の包含関係や周辺論点を俯瞰する時に

最後に

以上が、「構造化」に必要な5つの基本ステップです。
単に情報を並べるのではなく、「意味を見出し、構造を与え、伝わる形にする」ことが、構造化の真髄です。

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